膝関節

膝MCL損傷とは?受傷から復帰まで

さて本日はMCL損傷について書いていきましょう。

膝好きなんですよね

これまでの膝記事は参考にしてください!

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膝MCL損傷とは?

(プロメテウスより引用)

MCL損傷は直達外力・介達外力どちらでも受傷します

足が地面に接地した状態で、

膝だけ内側に強制されると受傷します

膝が”く”の字になってしまう状態です

これを“外反“と呼びます

 

ラグビーやアメフトなんかでは、

横からタックルされたときや、

倒れた時に上に乗られて受傷します。

 

僕はスノボでワンエイティ失敗して

損傷しました笑

 

そもそも、外反ストレステストってなんで

屈曲位と伸展位でやるか知ってますか?

 

MCL損傷

MCLの外反抑制力は、

60-80%

と言われています。

かなりの制御因子です

 

MCL断裂部で多いのが、

大腿骨付着部

これは、

大腿骨付着部は粘弾性が弱いため

と考えられています。

 

これまで何例か見てきましたが、

複合靭帯損傷はありませんでした。

MCL単独が多い印象です。

 

Fetto & MarshallによるMCL損傷のgrade分類

Grade 1 : MCLの疼痛のみ。

     膝屈曲0°、30°の外反ストレステストともに陰性

 

Grade 2 :屈曲0°外反ストレス陰性

     屈曲30°外反ストレス陽性

 

Grade 3 :膝屈曲0°、30°外反ストレスともに陽性

 

が、MCL損傷のGradingになっています。

 

これで、

外反ストレステストを屈曲位と伸展位でやる意味が

理解できましたね!

 

実際には屈曲角度で線維の緊張度合いが変化します。

ただ、ちょっと細かすぎるので、

割愛します。

 

 

Grade分類にはもう一つあります。

hughstonによるMCL損傷のGrade分類

です。

気になる方は調べてみてください。

僕はストレステストで基本的に確認しています。

 

伸展位で外反動揺を認める場合は、

同時にACLの機能評価が必須である

とされています。

これは、

膝の外反ストレスに対する二次安定機構は

ACLであるからです。

 

復帰のタイミング

基本的にどの文献を読んでも、

筋力・可動域が健側と同等レベルでスポーツ復帰

となっています。

ただ、MCLのプロトコルが全然ないんですよね。

探し出して見つけたのがこちら

 

ただ、どのタイミングでなにをやらせるかとかは、

こっちでコントロールしていかないとどうしようもないです

 

腫脹が引いてしまえば、

可動域もスムースに出ますし、

過屈曲しなければ痛みがないこともあるので、

3-4週目で復帰しちゃう子とかいるんですよね。

そうすると他部位の痛みとか出して帰ってくるんですよ。

 

しっかりとどこまでやってよくて、

なにをしたら痛くなるかの説明をしないと、

勝手にプレーに戻っちゃいます笑

 

基本的に安静にしていれば、

1か月程度で腫脹・疼痛は消失していきます。

ただ、損傷した靭帯が完全に修復されているか、

と言われるとそうではありません。

趣味程度のスポーツであれば、

1-2か月の安静で復帰できます。

ただ、アスリートはそんなに安静にはできません

その為、MCLに負担がかからないトレーニングを指導

しなくてはなりません。

これをできるんが、僕たち“理学療法士”ですね

MCLの解剖

ここからはMCLの解剖を少し詳しく見ていきましょう

学部で習うのは、

“MCL”

とだけ習いますが、

実際には、

MCL線維は大きくわけて3層に分けれます

 

MCL浅層線維

sMCLは大腿骨側に1つ、脛骨側に2つの付着部を有しています。

二つの付着部は”脛骨近位部”と”脛骨遠位部”

と呼ばれます。

 

sMCLの機能として、

膝の外反と外旋を主に制動しています。

外反の主な制動はsMCLで、

二次的な制動はdMCLとPOLということになります。

また、特に、脛骨近位部が外反制動の主な機能を有しています。

 

MCL深層線維

dMCLはsMCLの深層に位置し、

内側関節包の肥厚したもの

とされています。

dMCLは半月大腿部と半月脛骨部に分けられます。

 

dMCLの機能として、

 

膝の運動に伴って内側半月が

関節内に引き込まれることを

防ぐ機能を有する

と考えられています。

 

dMCLはsMCLに比べて制動力は弱い

と報告されています。

後斜走線維(POL)

POLは半膜様筋腱の遠位から走行しており、

superficial arm

central arm

capsular arm

の3つの筋膜付着部から構成されています。

 

POLは屈曲位において弛緩する特性を有するため、

膝関節伸展位付近において、

外反を二次的に制動する機能を有しています。

 

POLの機能として、

膝伸展位での外反、内旋を二次的に制動しています。

 

おしまい

MCLって一言で言っても、

結構ありますよね

細かい分類がどれだけ臨床に生かせるのか

まだまま不明確ですが、

運動指導する人間としては、

解剖学に精通している必要はあると思います。

 

 

-参考文献・引用文献-

1.Medial Collateral Ligament Injuries in Athletes

2.膝関節疾患のリハビリテーションと科学的基礎

3.内側支持機構損傷の治療とリハビリテーション

4.MCL損傷急性期に対する修復的保存療法

 

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