以前スクリューホームムーブメントに関する基礎知識と
TKA後にスクリューホームムーブメントが生じるかについて解説をしました
今回はスクリューホームムーブメントとRollBack(ロールバック)について解説していきたいと思います
膝関節の理解を深めたい
ロールバックってなんだっけ?
スクリューホームムーブメントについてもう少し詳しく知りたい
目次
スクリューホームムーブメントのおさらい
まずはスクリューホームムーブメントについておさらいしておきましょう
詳細はこちらを参考にしてください
膝のスクリューホームムーブメントは、
一般的には膝屈曲位から伸展に伴う脛骨の外旋
膝関節の最終伸展約30°前より起こる下腿の外旋
でした
スクリューホームムーブメントに関与するのは、
- 内側と外側の大腿顆部弯曲の非対称性
- ACLの緊張
- 大腿四頭筋の外側への牽引
ですよ~というのがこれまでのおさらいです
TKA後にスクリューホームムーブメントが生じるか否か?
TKA後にスクリューホームムーブメントが生じるのか?
というクリニカルクエスチョンに対して個人的には、生じないと考えています
それについての解説はこちらからどうぞ
さて、スクリューホームムーブメントのおさらいはこのへんにしておきましょう
膝関節のRollBack(ロールバック)とは?
膝関節のRollBack(ロールバック)とはなんでしょうか?
これあんまり教科書に書いてないんですよね
RollBackという言葉があまり記載されてません
膝関節におけるRollBackとは、
膝関節最大屈曲位でPCLの拘束力によって大腿骨を後方移動させること
これによってより深い屈曲を可能にしています

さらに、大腿四頭筋のモーメントも増加し、膝関節伸展時の筋力強度が付与されます
膝の解剖学・運動学を思い出してもらえるといいのですが、
膝関節を屈曲した場合、そのままでは脛骨と大腿骨後顆が衝突してしまいます(kinematic conflictと言います)
kinematic conflictが生じることで膝関節の屈曲可動域は制限されることになりますが、RollBack機能があることでこれを防いでいます
脛骨と大腿骨後顆の衝突を避ける為に、大腿骨を後方移動させ、kinematic conflictを生じさせないのがRollBackの主たる機能です
これは関節の回転中心軸を考える必要があると思います
関節の回転中心軸については以下の記事で解説しています
RollBackに必要な機能
膝関節のRollBackに必要な機能はPCLです
PCLが機能していることによって大腿骨の後方移動が生じます
PCLは膝関節屈曲に伴い緊張していきます
特に屈曲90°から120°でPCLの緊張は最大になります
そのため、膝屈曲最終域での可動性を増加させるためにRollBack機能が存在しています
RollBackとスクリューホームムーブメントの関係性
RollBack時の大腿骨内側顆・外側顆の動きは非対称となっています
内側顆・外側顆は大きさや形状が異なることはスクリューホームムーブメントの時に解説をしました
RollBackも同様で、大腿骨遠位部半径の内外差によって脛骨内旋運動が生じます
屈曲時に脛骨内旋運動です
つまり伸展に伴い脛骨は外旋運動を生じていく事になります
これはスクリューホームムーブメントと同様ですね
膝関節のスクリューホームムーブメントとロールバック関係性について、おしまい
今回は、膝関節のスクリューホームムーブメントとロールバックの関係性について解説をしました
RollBackで大切になるのは、PCLの機能です
そのほかに筋の影響もありますが、今回は筋の影響については割愛しています
また機会があれば筋の影響について解説していきたいと思います
膝関節でスクリューホームムーブメントに並んでよく聞くのが、extension lagです
extension lagについて解説をしています
こちらも参考にしてください
膝関節のスクリューホームムーブメントとロールバック関係性に使用した文献



















