理学療法

筋スパズムと筋短縮のわかりやすい評価方法【これで解決】

どうも皆様こんにちわ、今回は筋スパズムと筋短縮のわかりやすい評価方法です

臨床でも多いと思いですが、筋スパズムと筋短縮の違い理解していますか?

“硬いからストレッチ”

は、もうおしまいにしましょう。

では、参りましょう!

今回わかること

筋スパズムと筋短縮の評価方法

筋スパズムの治療法

筋短縮の治療法

 

伸張性低下?筋スパズム?

臨床ではROM測定時の可動域制限を考える上で、

多くの要因が関与しています

伸張性低下や筋スパズム、筋攣縮、筋短縮、防御性収縮…etc

様々な呼び方がありますが、

原因を明確にしないことには、治療も行えません

筋スパズムとは?

筋スパズムとは、1つ以上の筋群が突然に不随意的に収縮すること。

いわゆる筋痙攣のことが本来の意味であるが、臨床的には種々の原因で筋緊張が高まり、凝りに代表されるような状態に筋がいたっている場合に用いられることが多い

物理療法学テキスト pp56より

1次的な組織の損傷によるγ運動神経の興奮や局所循環障害。

持続的筋収縮や筋弛緩不全とも呼ばれる

筋骨格系理学療法を見直す pp23より

筋の収縮持続時に起こる局所の循環および代謝性変化に応じて、筋の収縮が延長するもの。疼痛は循環および代謝環境の変化の結果生じる為、最初の防御性筋収縮反射をおこす主病変がまだ刺激反応性かどうかに関わらず筋収縮は持続可能となる。スパズムはウィルス感染、感冒、長期の固定、精神的緊張、筋の直接外傷に対する筋の反応としても起こる。

最新運動療法大全 pp296より

ざっと教科書を繰ってみても、筋スパズムだけでも様々な解説があります。

共通しているのは、筋スパズムは局所の循環障害

不随意的に生じるというところでしょうか。

筋スパズムの原因はなに?

筋スパズムの原因にはいくつかあります

  1. 痛み原因説
  2. 筋・筋膜原因説
  3. 骨・関節・腱・靭帯の病理原因説
  4. 末梢神経の刺激・損傷・変性過程原因説
  5. これらの複合

筋スパズムの原因だけでこれだけあります

やっかいなのは5番です

筋スパズムの原因が複合されると原因究明が難しくなります

 

筋スパズムは一般的に神経生理学的な考え方では、

筋・靭帯などの関節構成体の損傷やストレスが脊髄反射を介して

筋スパズムを発生させます

後述する筋スパズムの治療法でも述べますが、反射に対しては反射で治療していくしかないと考えています

筋スパズムの考え方

筋スパズムは脊髄反射を介している・不随意的に生じると述べましたが、

初期の状況ではそれだけだと考えています。

しかし、筋スパズムが慢性化すると局所循環不全や筋硬化などの二次障害を招きます

マッサージで少しは改善するけど、根治しないのは二次障害に対しての介入をしているから

 

筋スパズムが生じた、

結果と原因をしっかりとわけて考えていかないと、負のスパイラルに陥ります

筋スパズムとの違い.筋短縮とは

では、次に筋スパズムとの比較で筋短縮に行きましょう

拘縮も併せてしまいましょう

 

拘縮は動作のほぼ完全な喪失を示す一方で、

短縮という用語は動作の部分的な喪失を意味するもの

として用いられている。

最新運動療法大全 pp66

他の文献では、筋肉の収縮性及び非収縮性要素の順応的な短縮を意味するために、筋肉のこわばりという用語を用いている

筋短縮の運動生理学

筋短縮の運動生理学ですが、

筋短縮位で固定すると、筋節の吸収が生じ、

筋線維の長さおよび筋節数が減少します。

 

筋短縮の運動生理学とは?

  • 筋節数減少
  • 筋節長短縮
  • 筋の繊維化

筋スパズム・筋短縮は似て非なるものです

似ているけど、発症メカニズムが異なれば、治療法も異なります。

筋スパズムと物理療法

さて、筋スパズムと筋短縮の治療法の前に、

筋スパズムと物理療法の適用について考えていきましょう

筋スパズムの局所循環障害と不随意的に生じます

物理療法で治療可能となるのは、局所循環障害を対象に治療を行っていきます

筋スパズム改善には近赤外線療法

筋スパズム改善には近赤外線療法が推奨されています

近赤外線両方が、筋スパズムに与える影響として、

  • 局所温度の上昇および血管拡張により血行が改善され、発痛原因物質を除去し筋スパズムが鎮静化する
  • 血行改善⇒局所温度上昇が局所の血管拡張を招く。微細血管が拡張、皮膚循環量が増加
  • 透過力が大きい近赤外線のほうが血流改善効果は高いとされている

このようなことから、筋スパズムには近赤外線療法が適用になっています

筋スパズムと筋短縮の治療法

治療法

さて、筋スパズムと筋短縮が異なることがわかりました。

次は筋スパズムの治療と筋短縮の治療です。

筋スパズムの治療法

筋スパズムは局所の循環障害及び不随意的収縮(持続的筋収縮)でした。

筋短縮での治療はストレッチングですが、筋スパズムは持続的収縮が生じているので、

収縮しているものにストレッチングかけても痛いだけです。

その為、筋スパズムの治療法としては循環改善や筋弛緩をさせるしかないと思います。

 

筋スパズムの治療で臨床中用いるのは、Ib抑制と等尺性収縮です。

Ib抑制は筋腱移行部を圧迫・維持して抑制をかけていきます。

筋スパズムは脊髄反射を介して、と述べました

Ib抑制は反射なので、用いるべきだと考えています。

等尺性収縮の原理も同じようなことです。

ただ、血流変化が生じるので、循環改善が図れると考えています。

 

しかし、個人として考えているのは、

図にもあるように、筋スパズムが生じる前には、防御性収縮が生じています。

この防御性収縮をどうにかしない限り、筋スパズムは消失しないのではないかと思っています。

筋短縮の治療法

筋短縮は筋線維長及び筋節数の減少を生じ、

動作の部分的な喪失でした。

それであれば、筋短縮の治療は筋線維長及び筋節数を増加させればいいと考えます。

筋短縮に用いる治療はストレッチングだと思います。

ストレッチングは筋節数の増加や筋節長の延長が生じますので

筋自体の伸張性改善が図れるかと思います。

筋スパズムと筋短縮の見分け方

筋スパズムと筋短縮を見分けるためには、

伸張位・短縮位で筋硬度を触知します。

短縮位では筋は弛緩状態となりますので、

伸張位・短縮位で筋硬度に変化がなければ筋スパズム

変化があれば、筋短縮ととらえています。

 

上述しましたが、筋スパズムであった場合、

筋スパズムを生じさせているほかの問題があると考えます。

術後の創部周囲だったり、損傷部位だったり、

そこに負担がかかるような関節運動を生じさせないために、

筋スパズムが起きているのではないかと推察しています。

冒頭でも述べたように、脊髄反射を介しているので、

脊髄反射を起こしている原因を治療しないことには改善していきません

 

ストレッチと筋収縮の違い

ストレッチと筋収縮の違い、と書くと語弊がありますが、

そもそもストレッチではどこが伸ばされるかご存知ですか?

ストレッチングにより伸張性が変化する部位-筋短縮

ごちゃごちゃしてて見にくいかもしれませんが、

ストレッチを行うと、

筋線維自体が伸ばされます

 

ストレッチでは、柔軟性の高い部位しか伸張されません。

その為、筋腹中央に硬結が存在している場合、

中央部は伸張されないことになります。

等尺性収縮の効果-筋スパズム

筋収縮(等尺性収縮)を用いた場合、

筋腱移行部が伸張されます

 

筋腱移行部は、筋原線維の延長や筋節数増加が

最も盛んな部位であるとされています。

 

ここからは、私見ですが、

硬結部位がある場合、

それより遠位の筋線維が収縮し、

近位部は不活動になるのではないかと考えています

リバースアクションでは逆です。

硬結部位が支点となってしまうのではないか、

ってことです。

 

この場合、ストレッチをかけても、

硬結部位より遠位のみしかストレッチはされない

と考えています。

このような場合には、低負荷反復収縮を用います

これにより、筋の滑走性を改善させ、筋スパズムを治療しようと考えています。

こういった運動神経生理学を知っておくと、次の日からの臨床に活かすことができます

運動神経生理学についてもう少し詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください!

α-γ連関や1a群を復習【大切な運動神経生理学について】以前にこちらの記事で運動神経生理学についてさらりと触れました https://pt0405pt.com/pt-ortho/ 運動神経...

 

筋スパズムと筋短縮の評価方法-おしまい-

今回は、筋スパズムと筋短縮の評価方法について、少し書いてみました

“とりあえずストレッチ”

なんてやってるなら、PTじゃなくてもいいですよね?

解剖学・生理学・運動学を学んできたからこそ、

できることがあると思います。

まだまだ駆け出しですが、頑張っていきます!

 

さて、個人的な見解ですので、最適解ではありません。

皆さんが「ちげーだろっ!!」

って思うことあれば、ぜひコメントお願いします。

筋スパズムに似ているもので、筋ガーディングというものがあります

筋スパズムと筋ガーディングについては以下の記事で解説をしています

参考にしてください!

筋スパズムと筋ガーディング【両者の違いを解説】筋スパズムはご存知の方が多いと思います しかし筋ガーディングに関してが記載されている参考書も少なく、 知らない方もいるのではないでし...

筋スパズム筋短縮の評価方法の参考・引用文献

 

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