どうも皆様こんにちわ
これまで変形性膝関節症やスクリューホームムーブメントについて書いてきました。
その中で、“下腿外旋”に何度も触れてきましたが、
臨床上、下腿外旋症候群は膝の痛みにかなりの影響を与えています。
下腿外旋症候群の理解があいまいだと、変形性膝関節症の治療もあいまいになってしまいます
そこで今回は、下腿外旋症候群について評価から治療の考え方について書いていきたいと思います。
下腿外旋症候群の理解が深まる
下腿外旋症候群の評価・治療がわかる
下腿外旋症候群と膝関節の靭帯との関係はこちらを参考にしてください!
こちらでは、「なぜ下腿外旋が疼痛を誘発するのか」について
解説をしています
目次
下腿外旋症候群とは?

膝関節屈曲域での下腿外旋、伸展域でのわずかな下腿外旋、伸展域での脛骨外方偏移を特徴としたアライメントを、下腿外旋症候群としています。
臨床上こういったアライメントで痛みを有している方がかなり多いです。
多くは、
- 骨盤後傾・脊柱後弯
- 大腿骨外旋(内旋制限)
- 膝蓋骨外方偏移
- 脛骨外旋位
- 下腿外方偏移
- 距骨下関節回内
が多いです。あくまで臨床経験上です
これは運動連鎖で考えてもいいと思います、
上行性でも下行性運動連鎖でも。
ここの破綻がスクリューホームムーブメントの破綻にもつながってますし、
スクリューホームムーブメントの破綻がここにつながってるとも考えられます。
運動連鎖を学んだ書籍はこちらです
下腿外旋症候群と他関節の影響

- 骨盤後傾・脊柱後弯
- 大腿骨外旋(内旋制限)
- 膝蓋骨外方偏移
- 脛骨外旋位
- 下腿外方偏移
- 距骨下関節回内
この順番で考えていきましょう
下腿外旋症候群と脊柱・骨盤のアライメント
脊柱・骨盤のアライメントは加齢による姿勢変化だと考えています。
加齢に伴って全身のアライメントに変化が生じるが、まず脊柱の前屈(後弯あるいは前弯の減少)が先行して生じる。
上記のように沖田らは報告しています
運動連鎖で考えれば、骨盤の後傾は股関節の外転外旋伸展を生じます
下腿外旋症候群と股関節アライメント
脊柱後弯、骨盤後傾で、股関節は外転・外旋・伸展になるとお伝えしました。
このアライメントでは、
- 股関節外転位 ⇒ 中殿筋の収縮効率低下
- 股関節外旋位 ⇒ 外旋筋群の収縮効率低下
- 股関節伸展位 ⇒ 大殿筋の収縮効率低下
上記のようにつながっていきます。
さらに、中殿筋の活動低下が生じることで、
- 腸脛靭帯の張力に依存した支持
が生じます。
腸脛靭帯の張力増加により脛骨も外側方向にけん引されていきます。
下腿外旋症候群と膝蓋骨アライメント
腸脛靭帯の一部線維は膝蓋骨方向に横走する線維があります。
この線維は膝蓋骨外側に付着するため、腸脛靭帯の張力増加に伴い、膝蓋骨も外側方向にけん引されていきます。
下腿外旋症候群と脛骨アライメント
下腿外旋症候群と腸脛靭帯の関わりは強く、
腸脛靭帯の停止はGerdy’s結節です
その為、腸脛靭帯の張力が増加することで脛骨外側偏移が生じてきます。
Gerdy’s結節は脛骨前面の外側にある為(画像の3番)、
腸脛靭帯の張力により脛骨を外旋させます。
脛骨では、
外側偏移+外旋が生じます

下腿外旋症候群と距骨下関節アライメント
下行性運動連鎖で考えると、足部は内がえし(距骨下関節回外)となりますが、内がえししている状態では足底接地が困難となる為、代償として距骨下関節を回内させます。
これによって変形性膝関節症では偏平足に見える方が多いのだと考えています。
下腿外旋症候群の評価と治療

下腿外旋症候群ではまず膝関節の評価・治療を行っていきます。
その次に遠位・近位関節の評価を進めていきます
基本的にはスクリューホームムーブメントの評価と同様です。
それプラスαで脛骨の内旋・外旋可動域もチェックしています。
下腿外旋症候群の脛骨内旋可動域評価
- 背臥位
- 膝関節軽度屈曲位
- 他動的に脛骨内旋外旋可動域を評価
- 健側・患側の左右差を評価
臨床でやっているのはこれだけです
膝関節軽度屈曲はLPPになるためです
実際には約25°~35°屈曲位とされています。
下腿外旋症候群の後方組織の治療
まずは内旋制限の解除をすすめていきます
臨床で主に見ているのは後方の軟部組織
特に内側ハムストリングスが活動低下していることが多いです
あとは後方組織の滑走不全です
ここは個々に評価していって治療を進めていきます
ちなみに滑走不全を治療した後は筋収縮を入れていく必要があります
下腿外旋症候群の前方組織の治療
腸脛靭帯の一部の線維は外側広筋にも付着をしています。
その為、外側軟部組織↑・内側軟部組織↓となりますので、内側の筋群の活動も高めていく必要があります。
また、下腿外旋位では膝関節は軽度屈曲位になります
この状態では前方の軟部組織の機能不全を伴いますし、
滑走不全も伴います。
前方には膝蓋下脂肪体や膝蓋上嚢など軟部組織もあるため、その部位の治療も並行して進めていく必要があります。
下腿外旋症候群と内側ハムストリングスの関係
内側ハムストリングスの活動が低下していることが多いので、収縮を促します
よくあるブリッジ運動です。
- 膝屈曲は浅く(大殿筋よりハムストリングスを強調)
- 下腿は内旋位(膝関節同士はくっつけない)
これで内側ハムストリングスを強調してエクササイズをしていきます
あとは
- 端座位
- 脛骨を内旋
これをすることもあります。これだと膝窩筋が強調されます
どちらも結構できない人いますので、ぜひ
どちらをやるにしても、まずは下腿内旋の可動域が出ているのが絶対条件です
そのあとに他部位の関節の治療を進めていきます
下腿外旋症候群について、おしまい
今回は下腿外旋症候群について書いていきました。下腿外旋症候群の理解を深めることが変形性膝関節症の治療につながっていくと思います
もし何かあれば、問い合わせやTwitter DMからお気軽にご質問をどうぞ!
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参考・引用文献



















