理学療法

疼痛の基礎知識-なんで痛いか説明できていますか?-

どうも皆様こんにちわ
わらぴぃ(@ptblogpt)です!

整形外科と切っても切れない関係にあるのが、

「疼痛」

です

皆さんはどうして痛みが出るか考えたことありますか?

今日はそんなことを一緒に勉強していこうと思います

疼痛のメカニズムってなに?

さて、疼痛と一言で言っても、いくつかあります

一つずつ確認していきましょう

侵害受容性疼痛のメカニズム

侵害受容性疼痛が最も一般的です

筋などの軟部組織に対して、なにかしらの侵害刺激が加わることで生じます

侵害刺激には、機械的、熱、化学的刺激などが含まれます

神経障害性疼痛のメカニズム

これはさらに二つにわけられます

神経因性疼痛

末梢あるいは中枢神経系における原発病変、機能異常、あるいは一過性の混乱を契機とし、あるいは原因として生じる痛み

神経障害性疼痛

神経系の原発性病変あるいは機能障害を契機とし、あるいは原因として生じる痛み

ともに国際疼痛学会より

心因性疼痛のメカニズム

心因性疼痛とは、器質的・機能的病変がない、またはあったとしても痛みの訴えと合致しない場合で、心理的要因が大きく影響するもの、といわれています

臨床場面で心因性疼痛だと見抜くのは大変じゃないかな

と感じているのですが、いかがでしょうか?

実際には、

DSM-Ⅳ-TR診断基準

というものが、あります。

これを用いて心因性疼痛の有無を評価します

 

さて、疼痛の種類を確認しましたが、

整形外科を担当するなかで多い、

侵害受容性疼痛に述べていこうと思います

 

侵害受容性疼痛をもっと詳しく

末梢組織が疼痛を受容するためには、そのレセプターが必要となります

そのレセプターが自由神経終末です

自由神経終末はさらに細かく、

①高閾値機械受容器

②熱侵害受容器

③冷侵害受容器

④ポリモーダル受容器

にわけられ、それぞれに異なった受容体を有しています

しかし、臨床ではひとくくりに”自由神経終末”を使っています

 

筋紡錘と腱紡錘

筋紡錘は錘内筋線維と錘外筋線維に分けられたと思います

筋紡錘は、錘内筋線維の長さ変化とその際の速度変化を感知し、

Ⅰa線維の発火頻度を高めます。

腱紡錘は、主に筋腱移行部に存在しています。

この腱紡錘は感覚神経のみによって支配されており、Ⅰb線維がそれに該当します

また、骨格筋の長さ変化とその張力の程度を感知する受容器です

 

Ⅰa,Ⅰb抑制についてはこちら↓

骨格筋の痛覚受容器

さて、筋紡錘・腱紡錘をご紹介しましたが、

それがなんなの?

と言われてしまいそうです

 

骨格筋内には筋紡錘・腱紡錘以外にも、パチニ小体や自由神経終末などの

感覚受容器が存在していますが、

自由神経終末の多くは筋膜や骨格筋内の血管壁に多く分布しています。

(Stacey MJ:Free nerve ending in skeletal muscle of the cat.)

 

筋肉痛が生じるのは、骨格筋内に自由神経終末が存在するためです。

筋肉は痛みがでるもの

でくくってませんか?

侵害受容器が存在するから痛みが出るのです

 

疼痛に関わる侵害受容器

骨格筋内のC線維の多くは化学物質のほかに、

機械的刺激や熱刺激に反応を示します。

また、虚血中の筋収縮によっても強い反応を示す、との報告もあります

(Mense S,et al:Responses in muscle afferent fiber of slow conduction velocity to contractions and ischaemia in the cat.

Mense S:Nociception from skeletal muscle in relation to clinical muscle pain.)

個人的には、この虚血中の筋収縮という部分に惹かれます。

私見ですが、可動域制限や制限まではいかなくても伸張性に左右差のある筋において、 収縮させたときに痛みが出ることを経験します。

それはこういった背景が存在しているからだと思ってます。 それだけではないですけど

 

筋の硬さが疼痛を誘発する原因は?

なぜ筋の硬さが疼痛誘発するのでしょうか?

上述したように、C線維が関与していますが、

他の視点から見ると、

局所循環不全

だと、考えています

結局は循環不全も虚血と同じ意味合いになるかと思います

では、局所循環不全がなぜ疼痛誘発するのでしょうか?

 

局所循環不全による筋性疼痛のメカニズム

局所循環不全 = 筋の異常緊張

と言えます

筋の異常緊張(持続収縮)が生じることにより、

血管は圧迫されます。

これによりその筋への血流は減少しますが、

それを是正しようと、ブラジキニンやプロスタグランジンなどの

発痛物質が産生されます。

ブラジキニンは発痛作用とともに、血管拡張作用

を有しているため、筋血流が減少することで、血管を拡張させようとするため、

産生されます。

また、プロスタグランジンはブラジキニンによって活性化されます

その為、同時に産生されるのだと考えています。

ブラジキニンによって活性化されますが、

プロスタグランジンはブラジキニンの作用を増強させる働きもあります。

これによって疼痛誘発につながるわけです

 

こういった背景があることで、

筋の硬さが疼痛を誘発するのだと考えています

 

今回、一番いいたかったのは、この部分です

硬いから痛い

では、なぜ硬いと痛くなるの?

を説明できるようにしましょう

おしまい

ここまで読んでみて、わからないことありましたか?

脳科学が好き・整形外科が好き

など、なんでもいいです

もし何かあれば、問い合わせTwitter DMからお気軽にご質問をどうぞ

 

参考文献

標準生理学第7版

 

基礎運動学第6版

 

pain rehabilitation

Mense S,et al:Responses in muscle afferent fiber of slow conduction velocity to contractions and ischaemia in the cat.

Mense S:Nociception from skeletal muscle in relation to clinical muscle pain.

Stacey MJ:Free nerve ending in skeletal muscle of the cat.

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