理学療法

バックグラウンドEMGとは?MEP測定時に気をつけるべきこと

筋電図を使用している論文を読むと“背景筋放電”という文言を見たことがあるかと思います

この背景筋放電(バックグラウンドEMG)とはなんなのでしょうか?

筋電図を解析する場合、何に気をつけるべきなのでしょうか?

今回は運動誘発電位を測定するため、バックグラウンドEMGに考慮しなくてはいけないので、そう言ったお話です

TMSの基本的なことをさらりと書いてます

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バックグラウンドEMGとは何か

まずバックグラウンドEMGとは背景筋放電です、と言いました

私たちは地球で生活している限り重力という力に支配されています

重力に抗するために安静時にも筋活動が生じているわけです

この安静時に生じている筋活動を測定したのが背景筋電図(バックグラウンドEMG)です

運動誘発電位測定時に考慮しなくてはいけないこと

では運動誘発電位測定時にバックグラウンドEMGを考慮しなくてはいけないのは、

なぜなのでしょうか?

運動誘発電位(MEP)の測定時には安静状態や低強度等尺性収縮を生じさせた状態での測定、

など様々あります

どの場合でも同一条件での測定であった

という証明は必要になりますね

安静状態で測定している時のバックグラウンドEMGをもとに、

同一条件下での測定でした

ということが言いたいのです

バックグラウンドEMGで気をつけること

二つ目のバックグラウンドEMGで気をつけるべきことは、

運動誘発電位が随意収縮を伴うことで振幅が大きくなる

という点です

運動誘発電位(MEP)を安静状態で測定する場合に、

バックグラウンドEMGが大きくなっていれば、

それは随意収縮などが生じている可能性があり、同一条件下での測定ではない、

ということになります

条件が異なってしまえば比較・検討していいのか?

というお話です

MEP測定時の神経生理学的なお話

運動誘発電位(MEP)測定時に随意運動を生じていると振幅が大きくなる、

とお伝えしました

これを神経生理学的にさらりと少し考えていきましょう

TMSの特徴

その前に少しだけ経頭蓋磁気刺激(TMS)の特徴の紹介

TMSは一度打ち込むと、

錐体路細胞は500Hz(2ms)以上の高頻度で数回発火する、

という特徴を持っています

しかし、500Hzで数回発火する程度なのは、

シナプスの時間的加重

が影響しているからです

MEPと神経生理学

MEPは大脳皮質一次運動野を経頭蓋磁気刺激で刺激し、

錐体路細胞を興奮させ、

筋電図波形を導出しています

この時、一次運動野で興奮した錐体路細胞は、

脊髄前角まで下降してα運動神経とシナプスし、

α運動神経が該当筋に下降することで筋収縮が生じます

これが安静時にMEPを導出した場合です

随意運動時にMEPを測定したらどうなるのか

随意運動中にMEPを測定するとMEPの振幅は大きくなります

これは一次運動野が関係しているからですね

随意運動を行うことで一次運動野の興奮性が高まり、

その状態でTMSを打ち込むことで、

磁気刺激と随意運動時の興奮性が同時にMEPに反映されます

そのためMEP振幅が増幅します

MEP測定時のバックグラウンドEMG

上述したことから、

バックグラウンドEMGが大きい状態では随意収縮が反映されている可能性がある

一次運動野の興奮性が同一ではないため、同一条件下での測定になっていない

という問題が生じるため、

バックグラウンドEMG(背景筋放電)を考慮しなくてはいけない、

ということになります

おしまい

もうちょっと踏み込んでいくと、

膜電位の影響なんかも出てくるかと思います

そこら辺は細かすぎるので、また機会があれば書いていこうかと思います

僕の考えなので、

違うよー

そうじゃないよー

なんてことありましたらお気軽にご連絡ください

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