理学療法

体幹と下肢痛の関係性-理論が飛躍していませんか?-

下肢痛=体幹?

どうも皆様こんにちわ
わらぴぃ(@ptblogpt)です!

先日の学部ゼミ会で、
頸部骨折で膝痛症例が出てきました

その中で、職場の先輩に、
「体幹が弱いからだよ」
って指導を受けたから、体幹の入れ方教えてください。
って言われました。

個人的には、なんでもかんでも体幹に結びつけるのは好きじゃないので、少しお話してきました。

皆さんの職場でも、
下肢痛=体幹弱い
むしろ
“!!!体幹!!!”
みたいなの流行ってませんか?

一言物申す所存でございます!

なぜ下肢痛で体幹なのか?下肢痛とは?

僕としてはこういう図式が好きじゃないんです。
痛いのは膝なんだから、疼痛誘発している組織は膝にあるわけじゃないですか?

体幹があー
って言いたい気持ちもわからんでもないです。
でも理論が飛躍しているというか、
“そこじゃないだろ”感が凄まじい

そもそも、疼痛受容しているということは、

疼痛組織の同定→メカニカルストレスの同定→力学的組織の修正

という流れでやるべきだと思います

疼痛部位の同定

さて、では疼痛部位の同定はどうやってやりましょう?

デバイスの活用

昔と違って今は技術が発展しているから、昔はわからなくても、今ならわかる
という話を聞いたことあります
要はレントゲンやMRI、最近ではエコーなんかもあると思います
しかし、ここで大切なのはあくまでもこれらは補助診断装置であること

MRIで変性などが認められるからそれが痛みを出してる
とか多いですね

変性してたら全員痛いのか?
痛くない人は変性していないのか?

そこを考える必要はあると思います

いつも例にあげるのが、腰椎椎間板ヘルニア
ヘルニアあっても痛い人・痛くない人いますよね?

それと一緒だと思ってます

整形外科テストの活用

デバイスは僕らが直接使うと言うよりは、Dr.が評価してくれていますね
じゃあ僕たち理学療法士の強みはなにか?
って考えたら、
“運動学に精通していること”
です。
それが整形外科テストの活用だと思っています。
たくさんある整形外科テストを組み合わせて、
疼痛受容組織の同定→メカニカルストレスの同定
まで、行います

書き方が難しいのですが、これを一度にまとめてやるわけではないです。

整形外科テストで疼痛受容組織の同定をして、メカニカルストレスの同定を行うわけですが、それはベッド上での評価だけです。
重要なのは、
立っているとき・歩いているときはどうなのか?
です

これも先ほどと同じように、
整形外科テスト陽性だから悪い
みたいにはしたくないです
そんなん僕らだって陽性になるのあるでしょ?
って

整形外科テスト⇔立位・歩行チェック
これを繰り返してます

よくあるのは、
膝痛い→oberテスト陽性→片脚立位チェック→患側骨盤前方回旋→大腿骨内旋位→膝回旋ストレス増大→膝痛い

ですかね?
あくまで一例ですけど
でもこれで終わってたらまた増悪と寛解を繰り返すんですよ
“なぜoberテストが陽性になったのか?”
っていうところが大切だと思います

最初といま、どうですか?
来たときよりよくなりました。
って言うときは、まぁ社交辞令だと思って受け止めてます

しっかりと痛み軽減したり、
消失したら、
!!!全然痛くないです!!!
みたいなリアクションになるので。

現状に甘んじない
ってことですかね笑

体幹と下肢の関係性

さて、下肢痛=体幹
にしたくない、と言ったくせにそこに触れないと怒られちゃいますね

今回の場合は、

膝痛=体幹

と結びつけていたので、難癖つけました

ただ、膝痛→股関節→体幹
とかってなるならまあわかります
特に内腹斜筋が、
って言ってました

また、体幹側屈が生じていたのなら、膝痛につながることもあるとは思います

体幹側屈側の膝関節には外反モーメントが加わります。

それにより膝痛は生じる可能性があります

仮に内腹斜筋が悪くて膝痛が出ていたとしましょう。

これの解釈はどうするのでしょうか?

ここの解釈がしっかりとしていれば、問題ないと思います

 

 

内腹斜筋と膝関節の関係性

さて、では内腹斜筋と膝関節の関係性はどうなのでしょうか?
全く関係性がないと言い切れるでしょうか?

内腹斜筋の解剖

内腹斜筋の解剖ですが、
内腹斜筋は
・斜層線維
・横走線維
上記2つに分けられます

 

(プロメテウスより引用)

今回は横走線維について説明していきたいと思います

内腹斜筋横走線維

内腹斜筋は骨盤内で水平方向の筋線維を有しており、仙腸関節に加わる

剪断力に抗する作用があると言われています。

歩行では立脚中期から終期にかけて筋活動が増大することが報告されており、

荷重に伴う仙腸関節の剪断力に対し内腹斜筋は仙腸関節を安定させる機能がある

と報告されています。

また、この時期に内腹斜筋の活動が低下することにより、

トレンデレンブルグ様の姿勢になると考えています。

内腹斜筋の水平方向の筋線維は骨盤内で仙腸関節に作用すると記載しましたが、

支持期に内腹斜筋が活動しないことで、

支持側骨盤下制→支持側股関節外転→支持側膝関節外反モーメント増加

につながるのではないかと考えています。

その為、立脚中期から終期にかけてトレンデレンブルグ様の歩行になっている場合は、

内腹斜筋の弱化を疑います

 

トレンデレンブルグ=股関節?

上述したように立脚中期から終期にかけて、

トレンデレンブルグ様の歩容を呈しているときは

内腹斜筋を疑います。

しかし、トレンデレンブルグ=股関節外転筋と習った方が大半だと思います

股関節説はどこにいったのか?

これは、歩行時の筋電図を見ると明白かと思います

中殿筋が活動するのは立脚初期から中期にかけて

つまり、中殿筋が原因でトレンデレンブルグ様の歩容になるときは、

立脚初期からなっている、と解釈をしています

 

要点ポイント

疼痛組織の同定

メカニカルストレスの同定

力学的組織の修正

以上3点が最も大切

論を飛躍させずに解釈を行う

これを肝に臨床に臨みましょう!

 

おしまい

ここまで読んでみて、わからないことありましたか?

脳科学が好き・整形外科が好き

など、なんでもいいです

整形外科に関しては、膝・足関節は好きなので多少喋れます

もし何かあれば、問い合わせTwitter DMからお気軽にご質問をどうぞ

 

-参考文献-

Ng JK,et al:Muscle fiber orientation of abdminal muscles and suggested surface EMG electrodepositions.

Snijders CJ,et al:EMG recordings of abdominal and back muscles in various standing postures

関西理学療法学会:The center of the Body-体幹機能の謎を探る 第6版-

 

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